お客様 (大手生命保険会社) の課題
- 本社、支店、およびサービスセンターに配備済の全事務端末の刷新と新設するセキュリティネットワーク利用への移行に際し、必要なマニュアルを取りまとめる知見と人員が不足している。
- 新端末・新ネットワークの移行スケジュールに合わせたマニュアル制作の進行管理、日程遵守のノウハウが不足している。
- これまでは、システム構築メーカーが開発と並行してマニュアルを作成していたため、利用者目線で使いやすく・分かりやすい内容になっていない。
PMCの取り組み
- お客様拠点にて当社社員2~3名が駐在し、現場の関係各部署と密接な連携のもと必要となるマニュアルを洗い出し、円滑な進め方を提案しました。
- お客様と一体となった体制のもと、移行スケジュールのヒアリングからマニュアル制作に必要な情報収集、ならびに制作日程の立案を主体的に推進しました。
- 既存マニュアルの現状分析を踏まえ、改善提案を「マニュアル統一コンセプト」として策定し、マニュアルごとに異なっていたレイアウトや表現手法の統一を図りました。
- マニュアルの品質向上を目的として、第三者による実機検証を実施し、記載内容と実際の操作に齟齬がないこと、ならびにユーザーにとって理解しやすい表現となっていることを確認しました。
- ユーザーにとって視覚的に分かりやすく、親しみやすい情報提供を実現するため、動画によるコンテンツ提案を実施し、3つのコンテンツを動画化しました。
効果
- 現場駐在による密接な連携体制の構築により、必要なマニュアルの網羅的な洗い出しと効率的な整備を実現し、移行作業の円滑化と関係部署間の認識統一に寄与しました。
- 当社の進行管理ノウハウを活用し、主体的な進行管理と日程調整を行うことにより、マニュアル制作が移行スケジュールに沿って円滑に進行し、全体の移行プロジェクトに遅延なく貢献することができました。
- お客様からは当社が制作したマニュアルや動画コンテンツの品質を非常に高く評価していただき、多くの感謝のお言葉を頂きました。具体的には以下のポイントに関して効果が認められました。
- 統一されたレイアウトと表現により、マニュアルの可読性が向上し、ユーザーにとって分かりやすく使い勝手の良いマニュアルを提供できた
- 実機検証を通じて、操作手順の正確性が担保され、ユーザーの混乱や問い合わせ件数を抑制できた
- 動画コンテンツの導入により、視覚的な理解が促進され、研修やサポート対応に寄与した
注目ポイント
- ユーザー視点に立ったマニュアル改善の必要性を、お客様自身が認識していない段階からスタート。現状の課題を可視化し、改善の方向性を具体的に提示することで、理解と納得を得ながら主体的な改善活動へと導いた。単なる制作支援にとどまらず、コンサルティング的なアプローチにより、マニュアルの品質向上とユーザー体験の改善に対する意識改革を実現した点が、本事例の大きな特徴です。
- マニュアル改善にとどまらず、業務移行や新端末配布といった運用面の課題にも着目。現場で発生し得る混乱や停滞を未然に防ぐため、課題の抽出と改善提案を実施し、業務再開が円滑に進むよう支援した。ユーザー視点に立った包括的なアプローチにより、単なるドキュメント整備ではなく、業務全体の最適化に貢献した点が本事例の注目ポイントです。
当社担当者の想い
これまでは、提供された情報をいかに分かりやすく伝えるかに主眼を置いてマニュアル制作を行ってきました。しかし今回のプロジェクトでは、情報が十分に提供されない状況からのスタートとなり、必要な情報をいかにして現場から主体的に収集するかが重要なポイントでした。関係部署との密接なコミュニケーションを通じて、実態に即した情報を的確に把握し、マニュアルに反映することを最大の目的として取り組みました。
また、マニュアル制作の進め方自体を当社から提案し、お客様と一体となってプロセスを構築する必要がありました。従来の枠組みにとらわれず、課題の抽出から改善提案、運用支援までを一貫して主体的に推進することで、ユーザーにとって実用性の高いマニュアルを提供できたと感じています。
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