SVG (第2回 Office文書のSVG変換)

Microsoft OfficeのバージョンによるSVG出力方法の違い

Microsoft Officeは、Office 2016からSVGに対応しました。

Office 2016以降のOfficeアプリ(Microsoft 365版を含む)は、直接SVGを出力することができます。

Office 2013はSVGに対応していないため、Adobe Illustrator等のSVG対応ツールの力を借りる必要があります。

Office文書のバージョンとOfficeアプリのバージョンの関係

Office 2013で作成したOffice文書でも、Office 2016以降のバージョンのOfficeアプリを使えば、直接SVGを出力することが可能です。

Office 2016以降(Microsoft 365版を含む)におけるSVG出力

PowerPoint文書のSVG出力

PowerPointでは、背景を含めたスライド全体のSVG出力と、スライド内の一部の図形のSVG出力が可能です。

PowerPointスライドをSVG出力する手順

  1. [ファイル]をクリックして表示される画面で、[名前を付けて保存]をクリックします。
  2. ファイルの種類に[スケーラブル ベクター グラフィックス形式]を選択します。
  3. 保存場所と[ファイル名]を指定し、[保存]をクリックします。
  4. [エクスポートするスライドを指定してください]というメッセージが表示されますので、[すべてのスライド]または[このスライドのみ]をクリックします。
    • [すべてのスライド]をクリックすると、ファイル名と同じ名前のフォルダー内に、各スライドをSVG変換したファイルを出力します。
    • [このスライドのみ]をクリックすると、直前に表示していたスライドをSVG変換したファイルを出力します。

スライド内の一部の図形をSVG出力する手順

  1. SVG出力したい図形を、すべて選択します。
  2. 右クリックで表示されるメニューから、[図として保存]を選択します。
  3. ファイルダイアログボックスで、[ファイルの種類]に[スケーラブル ベクター グラフィックス形式]を選択します。
  4. 保存場所と[ファイル名]を指定し、[保存]をクリックします。

Word/Excel文書のSVG出力

Word/Excelで直接SVG出力できるのは、描画キャンバス内の図形およびグラフだけです。

Excelの表は、PowerPointを経由してSVGに変換できます。

OfficeのSVG出力では、文字は文字コードとして出力します。文字をアウトラインに変換したい場合は、Adobe Illustrator等で再加工する必要があります。

描画キャンバスとグラフをSVG出力する手順

  1. SVG出力したい描画キャンバスまたはグラフを選択します。
  2. 右クリックで表示されるメニューから、[図として保存]を選択します。
  3. ファイルダイアログボックスで、[ファイルの種類]に[スケーラブル ベクター グラフィックス形式]を選択します。
  4. 保存場所と[ファイル名]を指定し、[保存]をクリックします。

Excel表をSVG出力する手順

  1. SVG出力したいセル範囲またはテーブルを選択し、コピー(Ctrl+C)します。
  2. PowerPointを起動して新規文書を作成し、白紙のスライドを追加します。
  3. 白紙のスライド上で、[ホーム]リボンの[貼り付け]をドロップダウンし、[形式を選択して貼り付け]をクリックします。
  4. ダイアログボックスの[貼り付ける形式]リストの中から[HTML形式]を選択し、[OK]をクリックします。
  5. PowerPointの表に変換されて貼り付けられますので、文字の大きさや表のレイアウトなどを調整します。
  6. 表を選択し、右クリックメニューから、[図として保存]を選択します。
  7. ファイルダイアログボックスで、[ファイルの種類]に[スケーラブル ベクター グラフィックス形式]を選択します。
  8. 保存場所と[ファイル名]を指定し、[保存]をクリックします。

Office 2013におけるSVG出力

Office 2013はSVGに対応していないため、直接SVG出力することはできません。

ここでは、Adobe Illustratorを補助ツールとして、PowerPoint上の図形やExcel表をSVG出力する手順を紹介します。

なお、Office 2013では、Word/Excel上の図やグラフをSVGに変換することはできません。

PowerPointスライド内の図形をSVG出力する手順 (Office 2013)

  1. PowerPoint上で、SVG出力したい図形を、すべて選択します。
  2. 右クリックで表示されるメニューから、[図として保存]を選択します。
  3. ファイルダイアログボックスで、[ファイルの種類]に[拡張Windowsメタファイル]を選択します。
  4. 保存場所と[ファイル名]を指定し、[保存]をクリックします。
  5. Adobe Illustratorを起動し、上記で保存したファイルを開きます。
  6. [ファイル]-[別名で保存]でSVG形式で保存します。

Excel表をSVG出力する手順 (Office 2013)

  1. SVG出力したいセル範囲またはテーブルを選択し、コピー(Ctrl+C)します。
  2. PowerPointを起動して新規文書を作成し、白紙のスライドを追加します。
  3. 白紙のスライド上で、[ホーム]リボンの[貼り付け]をドロップダウンし、[形式を選択して貼り付け]をクリックします。
  4. ダイアログボックスの[貼り付ける形式]リストの中から[HTML形式]を選択し、[OK]をクリックします。
  5. PowerPointの表に変換されて貼り付けられますので、文字の大きさや表のレイアウトなどを調整します。
  6. 表を選択し、右クリックメニューから、[図として保存]を選択します。
  7. ファイルダイアログボックスで、[ファイルの種類]に[拡張Windowsメタファイル]を選択します。
  8. 保存場所と[ファイル名]を指定し、[保存]をクリックします。
  9. Adobe Illustratorを起動し、上記で保存したファイルを開きます。
  10. [ファイル]-[別名で保存]でSVG形式で保存します。

SVG内の文字のアウトライン化

文字のアウトライン化が必要な場合は、上記の方法でSVGを作成した後、Adobe Illustratorで文字のアウトライン化を行ってください。

SVGの文字をアウトライン化する手順

  1. Adobe Illustratorを起動し、作成したSVGを開きます。
  2. メニューから、[ファイル]-[別名で保存]を選択します。
  3. [別名で保存]画面で、[ファイルの種類]が[SVG]であることを確認し、[保存]をクリックします。
  4. 上書き確認のメッセージが表示されますので、[はい]をクリックします。
  5. [SVGオプション]画面で、[文字]を[アウトラインに変換]に設定し、[OK]をクリックします。